43 名前:おさかなくわえた名無しさん[] 投稿日:2012/03/07(水) 02:19:48.23 ID:xQHo+TbB [2/2]
出刃包丁持った猫が、俺に包丁突きつけてきた
「おかねちょうだい」
「お金?いくら?」
「さんぜんえん」
「いいよ。はいどうぞ」
「固いのもほしい」
「小銭のこと?全部持てるかな」
「何買うの?」
「カリカリ。いっぱい買う」
「そっか。でもお店遠いよ?一緒に行く?」
「…いく」
「包丁は重いから置いておきなよ。後で取りに来ればいいから」
「うん」
「カリカリいっぱい買えてよかったね」
「…うん」
「重いでしょ?それずっと持って歩くの?」
「…重いの」
「家においておく?好きなときとりくればいいじゃん」
「…うん」
「外寒いよ?帰るの?」
「・・・」
「泊まる?」
「・・・そうする」
45 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 08:29:15.79 ID:FRiG0dfK [1/2]
>>43
「…おい。しっかりしろ」
寒い寒い風の吹く、冬の日だった。
お腹がすいて草むらにへたり込んでいた僕に1匹の猫が声をかけて来た。
「ちいさいな…おまえ、母ちゃんやきょうだいはどうした」
「…わかんない。いつのまにかひとりになってた」
「そうか…。どこか行くあてはあるのか」
「……ううん」
「……」
「……」
「…おい、ちび。包丁はもっているか」
しばらくの沈黙のあと、その猫は僕に言った。
「?」
「もってないのか…なら、これをつかえ」
そう言って彼は、一本の小さい包丁を取り出した。
ちょっと古ぼけてはいたが、それでもきらりと光っていた。
「おれは…もう、つかえないから」
彼は、ちょっと寂しそうにそうつぶやいた。
よく見ると、彼の体はうっすらと透けているように見えた。
「いいか、これからおしえるにんげんのいえへ行け。
そしてこの包丁をだして、今からいうとおりにしゃべるんだ。
しっかりおぼえろよ。…」
46 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 08:29:32.61 ID:FRiG0dfK [2/2]
僕は彼から教わったとおりに、人間の家へ行ってこう言ったんだ。
「かっ…かねをだちぇ!」
…その後のセリフを上手く言えたかは、あまりにもハラペコ過ぎて正直よく覚えていない。
人間は最初目をまあるくして、そのあと目からぽろぽろ水を出して僕の頭をわしわしなでてくれたのは覚えている。
きみにはまだカリカリは早いな、かんづめとミルクだね、って言っていっしょにお店へ行ってくれたんだ。
…僕はそのまま、その家の猫になった。
風のぴゅうぴゅう鳴る音を聞くと、あの時のことが思い出されてふっと振り返ると、あの猫―先代猫が、小さな四角い枠の中ですまして座っていた。
あの時もらった包丁は今も、大事に手入れして持っている。
48 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 09:10:04.27 ID:ZeHI5LrQ
包丁を手入れし続けて何に使う気だw
49 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 09:18:21.90 ID:hkFO63VV
>>48
NNNの備品ですので、また次にw
50 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 09:20:14.75 ID:UIVC6p4k
次の猫に渡すんだよ
。・゚・(つд∩)・゚・。